
   

この文章は。平成14年10月の末ごろより11月の終わりごろまで、掲示板に掲載した物をまとめて記載しました。
クルーザーヨットには、モノハル艇、カタマラン、トリマラン、スクーナー、ケッチ、ヨォール、カッターリグ、ガフリグ、ガフカッター、ガフケッチー、スループ、その内のマストヘットリグ、フラクショナルリグといろんな型式が有ります。
プロダクション艇は「リグ」で言うとマストヘットリグ、とフラックショナルリグ、の二種類が一番多いです。マストはオンデッキ形とスルーマスト式の二種類です。クルージング艇はオンデッキがほとんどでしょう。但し大きなヨットではスルーマストも有ります。バラストキールの型式は大きく分けて、ロングキールとフィーンキールでしょう。材質も鋳鉄製、鉛製も有り、カタマランの様にキールは有るがバラストが無い物、有っても小さい物といろんな形があります。スケーグが付いている物、付いていない物、フルスケーグとハーフスケーグが有ります。ラダーもインラダーやバラストラダー、アウトラダーと有ります。これらを数え上げるときりが有りません。

ここでヨット選びについて、少し述べてみます |
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我々貧乏人は先ず新艇を買える人は少ないのではないでしょうか。この様に書くと怒られるかもしれませんが、金の有る方は別として、先ず予算が有りその予算でどのようなヨットが手に入るのか考えます。レースをするのか、クルージングに使うのか、大勢で乗るのか、シングルで乗るのか、内海で乗るのか、外洋で乗るのか、材質は木造かFRPか、船内機か船外機か、大きさは、この様に書くと取り留めの無い事になります。
又、係留場所にもよります。漁港に置くのか、立派なマリーナーに係留するのか、水深の浅い所に係留するのか、陸置き艇なのか、こんな事も考えなくてはなりません。
クルージングを主に考える人は、最低一人でも操船出来る事が条件となります。クルーが乗りに来なくて艇を出せないとなると最低です。その様なヨットも沢山あります。
現在の体力を考えずに4〜5年先の体力と、その時の自分の状態などを考えると良いでしょう。折角買ったヨットを1年や2年で手放したくないからです。共同オーナーと言う考えも有ります。メーカーで選ぶ、設計者で選ぶ、いろんな選び方が有ります。クルージングを得意とする設計者、レース艇を得意とする設計者、ビルダーも得意が有ります。自分が信頼の置けるビルダーを選ぶのも一つの方法でしょう。
外洋でも内海でも、同じ事、小さいから外洋は無理と言う事は有りません。大きくても外洋に向いていないヨットも有ります。大きさにこだわる事は無いでしょう。
原則的にクルーザーヨットは以前より120度以上の復元力が有ると言われていますが、これは平水での事です。
ヨットレースはハンディ方式と、同型艇方式(マッチレース)が有ります
昭和57年頃当時は、ミニトン、1/4。1/2。1/3。ワントンと言うような分け方をしていました。ハンディ方式は、NORCのIORレーティングの設定で、その年毎に変化をしていました。スタビリティーを持たすために、艇の水腺幅よりもデッキ幅を大きく取ると、ヒール角度を稼ぐ事が出来ます。風抵抗を考えてキャビンを小さくする事も有利とされていました。これ等もレーティングの有利な方に傾いていったのです。
しかし、転覆して180度裏返しになった時には次の波による回復が難しくなります。デッキ幅が大きい事やキャビンが小さい事は、180度転覆した時はそのまま安定してしまい、起き上るのに抵抗になります。ヨットの腰の強さと復元力は別のものです。
あまりにもこれ等にこだわると、元来より言われていたJOGの意味もなくなって来ました。
現在はIMSクラスとCRクラスとに分かれています。オープンレースではクルザークラスやその他のクラス分けで行われているところも有ります。インショアー(内海)とオフショアー(外洋)は別物で、現在のIMSでは外洋は無理でしょう。外洋レースでは、そのコースによりいろんなクラスも有りますが、そのつどの規定に定められています。
一旦買ってしまうと、良かろうが悪かろうが、自分の女房と同じ事、乗りながら自分の船が悪いと言う人はいません。又100%良いヨットも無く100%悪いヨットも有りません。自分の乗り方に合うか合わないかでしょう。自分の使い方と遊び方の組み合わせの中で考えて行くべきでしょう。
自分の予算に合い気に入った新艇の場合もですが、特に中古ヨットの場合、自分が必要とする儀装が付いているかいないかによって考えなくてはなりません。
後で買い足すと結構高く付く事になります。
現状で乗れるのか、修理を必要とするのか、買い足す艤装品がいるのか、最初に調べておかなくてはならないでしょう。
新艇もしかり、付属品を含めて予算に合う物を選ばなくてはなりませんが、業者の薦める物は全て必要か必要でないか、自分の乗り方を良く考えて選んでください。
特に中古艇のヨットは、上架をしてボトムやバラストやラダーの点検をしておきましょう。船底だけでなく、ハル、リギン類やキャビン内部もエンジンに至るまで細部に自分で目を通し確認しておきましょう。、悪いところを見落としてもそれは自分の責任です。私の経験から人に頼まれて見に行っても既にその人がそのヨットを気に入っているのです。良いヨットで有っても悪いヨットで有っても、その人の技術や使い方など分からないので結局決めるのは本人です。
人が見てこんな古いヨットと思う物も、自分なりの考えが合えば良いヨットではないでしょうか。
人には好みがあり、Aさんの言う事とBさんの言う事が、異なっていても当たり前の事です。経験者や先輩に聞きその通りにするのではなく、確実に自分で考えましょう。自分の生命を預ける乗り物なのです。逆も真なりで人それぞれ見方が違うのが当たり前です。
他人が乗る物では無いのです、自分が一番気に入れば、それがその人に取って最高のヨットです。古くて傷んでいるヨットを買ってきて、自分なりにレストアーをして、新艇に見間違えるほど仕上げている人もいます。これらは作る楽しみも含んだヨット遊びでしょう。ヨットはこの様に使用すると言う図式は無いのです。持っているだけで幸せを感じる人もいるでしょうし、修理に明け暮れる日々も楽しいという人もいます。どのような使い方でもかまいません。レースをするのにクルージング仕上げ艇は無理ですし、この逆も言える事です。先ずヨットを持つことから始まります。ただ言えるのは、自分の責任で始まり、自分の責任で行う遊びです。
安全に乗るのには、設備は最低必要品が揃っていると良いでしょう。部品が多くなるとトラブルもその分増えてきます。
陸上の生活をそのままヨットに求めるのは無理難題です。ヨットは不自由を常とします。
気に入ったヨットが有り、予算に合って買ってきたとしても、新艇であれ中古であれどのヨットも自分のものにするのに半年はかかるでしょう。自分なりに操れる様になるのに又半年、結局一年はかかります。自動車の用に即日より乗れると言うわけにはいきません。自分なりのシェークダウンに時間がかかるのです。

ヨットの材質、木造艇、此れは元来ヨットに限らず船は木で作られていた。日本では杉板の外板とケヤキかヒノキの骨組みで作られていました。西洋ではチークやスプルス、マホガニーなどを主にして作られていました。昔は合板艇のヨットもよく有りましたが、近頃は少なくなって来ました。木造艇のヨットはWブランキング工法やトリプルブランキング工法で、その後、自作者が作りやすいストリップ工法にとなっていきました。
接着材はフェノールに代わり現在エポキシの発達で木造艇と言いながら木部を骨材と考えてエポキシで固めて軽く強い船体が出来る様にもなりました。しかし量産には向きません。量産に向かないので、岡崎ヨットや奥村ヨット、岡本ヨットといった木造艇の老舗もFRPにと代わっていきました。現在日本において木造艇の量産業者はいないでしょう。木造の別注艇製作ビルダーは数社有りますが、現在でもトリプルブランキング工法やウエスト工法で製作しているのは、愛媛県の池川ヨット工房でしょう。
FRPは量産に向く工法です。メス型のモールドによって数多く艇の生産が出来てコストダウンに繋がります。この工法は一般的にはポリエステル樹脂とグラスウールを数多く重ねて張り合わせて行く方法です、この方法はポリエステルの他エポキシ、ビニールエステル、その他の樹脂やグラスウールの他ケプラーやカーボンなどの硬い材料を使用する事により軽く硬い船体を作る事も出来ます。(複合板も含めてですが)
※複合版とはサンドイッチ工法です。クレゲセルやパルサー、ハニカムコワー等を含む。
FRPの単板に比べてFRPの複合板は軽く硬く結露の心配も少なくなりました。
インナーハルを張る事で尚いっそう結露の心配がなくなって来ました。
国内のヨットはヤマハ、ニュージャパン、ツボイ、その他いろんなメーカーが有ります。また、アメリカ、フランス、ドイツ、ニュージーランド、スウェーデン、デンマーク、その他いろんな国からも輸入されています。
内装については純クルージング艇、R&C形、レース艇、といろんな仕様があります。大きいヨットはダイニティータイプ、左右対称形。レース艇は最小限の内装です。これはヨットの大きさにも拠ります。キャビン内で人が立てるための大きさは26フィートが最小限度でしょう。(中には24フィートでも立てる物もあります)
26フィートで最大乗員数10人、30フィートで12人ぐらいでしょう。ボング(ベッド)は26フィートで4人、30フィートで6人が標準でしょう。
日本では鉄製のヨットも有ります。一般的には大きなヨットで40フィート以上でしょう。近頃アルミの漁船が有りますが、曲げ加工が難しいため、ヨットではチャイン艇となるでしょう。
一時フェローセメントで製作したヨットも有りました。
FRPは量産だけでなく、一艇だけでも生産をする事も出来ます。雄型ザル工法です。これはしっかりモールドを作れば2〜3艇ぐらいは一個のモールドで製作可能です。FRPのワンオフ艇や自作者はこの方法で製作しています。

ヨットの艤装は一口に言えません。先ず一人で乗るのか、大勢で乗るのか、レースを主にするのか、クルージングを主流にするか、内海か外洋かで考え方が全く違ってきます。
シングルで乗る人は発着は別として、コクピットよりなるべく出なくても良いような艤装が必要でしょう。複雑な物よりシンプルが良いです。いつでも片手てティラーを持って操作が出来るのが良いです。内海使用では電気式自動操舵は必要最小限の設備でしょうが、これも風がきつくなると効きが悪くなり万能と言う訳にはいきません。故障する場合も有ります。手で持たねばならない事もしばしあります。
ジブファーラー、シングルの場合は必需品になってきました。有れば便利な物に、フルバテンメィン、スタックパック、ブームプリべンター、セルフティングウインチ、なども有ります。大きなヨットではメィンファーラーも有ります。沿海、外洋を問わず。レースは勿論クルージングも、基本的には、コンパス、風見、測深計、GPS、アンカー、アンカーチエン、その他いろいろ有るでしょう。大勢で乗船の場合は各箇所のポジションに無理なく付ける様にしなくてはなりません。
レースが主で有れば艇のバランス、必要最小内部の設備、細かくトリムの出来る装置、各クルーの仕事の配置などと、ランニングバックステーやランニングギヤーも軽く引ける装置が必要です。セイルもケプラーの物が数多く必要になって来るでしょう。バラストはウィング式やエプティカル式、ラダーもエプティカル形になりアスペクトレシオの高い方向にとなります、その艇の仕上げや仕様により、IMSやCRレーティングも、おのずと決まって来るのではないでしょうか。
内海のクルージングは無理をせず何でも積んで楽しくやろうという事が目的になりますので、あまり帆走艤装に神経を使う必要も無いでしょう。
夜間航行を主にするのであれば、電灯の配置などと共にサーチライトも必要でしょう。夜間航行の安全対策が必要でしょう。
無線装置。内海ではマリンVHFは、当初許可された時には、各マーチスより電話でも繋がると言っていましたが。現在は携帯電話の発達で海の118番も設定されました。そんな事で当初ほどの魅力は無くなりつつあります。レースなどやクラブの集合クルージングには連絡用に良いと思いますが、アマチャー無線の144メガ、430メガの方が良く飛びます。外洋を帆走する時はアマチャー無線のHF21メガが良いでしょう。天候に左右される時もありますが、全世界をカバーします。
外洋を帆走するのであれば、その海域により考えねばなりません。艇の転覆時、内部の配置、水密製、無線装置、差し板のロック、ウインドベン、シーアンカー、セイルの面積、ラフトの置き場、食料や水の確保、その他いろんな物があります。故障をしても自分で修理しなければなりません。当然自分で修理が出来るリグや装備になってきます。予備用品も沢山積む事になります。考えればいろんな事が有ります。
私ごとですが、ヨットは海遊びの玩具と思っています。但し自分の責任で出航して、自分の責任で帰航する、これが先ず第一の基本ではないでしょうか。魚釣りに利用、草レースに利用、クルージングに利用、宴会に利用、これといって決めていません。自分の船の性能を目一杯使い、日々楽しんでいます。シングルでも乗れる様に艤装はしていますが、外洋を何日も帆走する設備はしていません。

乗った後に行うメンテナンスは、汚れによる時は水でデッキを洗い流します。昔は木綿のセイルであったので雨の中走ってセイルを濡らしたり、潮を被ると、天気の良い日に逆さにセイルをして乾かせましたが、現在のセイルでは逆効果でしょう。ダクロンやケブラーは水を吸いません、シバをさすと縫い糸に負担が架かります。たまに潮を被れば水ぐらいはかけても良いのではと思いますが、これも現在はしなくても良いかもしれません。シートや舫いロープはたまに水をかけておきましょう。荒波で走ってきて波を被った時は真水で洗い流しておきましょう。寒くなると、タンクの中の空気が多いと結露の原因になります。燃料は何時もタンクの半分以下になると注ぎ足しましょう。
ビルジーはクルージングに行って帰ってきた時、入っていれば必ず抜きましょう。FRPの船体でも水を吸い込みます。ビルジーを溜める事はヨットに良くありません。結露の原因やカビの原因にもなります。
工具は使った後は必ず元の場所に戻しましょう。
動く処、グースネック、各シブ、ブロック類にはCRCを吹き付けておきましょう。
割ピンなどはビニールテープで巻いておきます。こうする事で割りピンが落ちても、タングピンは抜けません。
セイルのほつれなどはリペアーテープで修理をしておきます。気になるところは次の出航前日までに必ず修理をすると言う習慣を身につけましょう。
この事が事故や故障を防げます。
昔は手入れで始まり手入れで終わると言っていました。エンジンオイルの点検、エンジンの使用時間を決めて行いましょう。オイルフィルターも交換しましょう。
次の出航は何も考えずに直ぐに艇を出せるように心がけましょう。
1年に1,2回はリギンの張り具合や、シートの傷み、ハリヤードの点検をして、ウインチは余分にグリスなどを塗らぬようにしましょう。潮が固まってきて石鹸の様になり重たくなります。私はシュラウドのワイヤー取り付け部にグリスを一回り2年に1度ぐらい塗りこんでおきます。タンバックルの割れ防止のため、自動操舵装置も完全な防水型ではないので、1年に1度はカバーを開けてCRCかセッテン復活材などをを吹き付けておきましょう。 シートやハリヤードは、レース艇には向きませんが、私は少し長い目の物を使用して、スエージングをしていません。結んで取り付けているだけです。こうする事で1〜2年に20センチほど、取り付けている部分を切断し、取り付け位置を替えます、そうするとシブやブロックで何時も同じ処で止まっているストッパーのすれている位置が変わりシートが長持ちします。すれて傷むところは同じところなので、その他点検してボルトの緩みが見つかれば直ぐに増し締めをしておきましょう。
より良く安全に乗るためには、航海途中のトラブルは自分で修理をするほか有りません。その為にも、常日頃の整備は基より出来るだけ、自分で修理をする事に心がけましょう。
★ ワンポイントアドバイス
中古艇の場合は勿論セイルも中古です。セイルを上げてみてドラフトが深いか、後ろに来ている時はラフテープのロープの下側を止めている縫い糸を解いて、トップより下に向かって手でしごくかハリヤードを使って引き伸ばします。そうするとロープが中に入って行きます。おそらく10〜20センチぐらいは中に入ってしまうでしょう。その処を縫い付けておき、足らなくなった分を下からロプを継ぎ足して縫い付けます。ドラフトが前に移動し浅くなります。

エンジンについて、ヨットはエンジンだと言う御人がいます。私もその通りだと思います。内海使用時、外洋は別です。船外機ガソリン使用エンジン、2サイクルと4ストローク方式があります。2サイクルはオイルとガソリンを混合して使用しますが、近頃は分離式の方が多くなってきているようです。4サイクルは分離式です。此処では2サイクルについての原理を書きます。
2サイクルエンジンは、混合された燃料オイル約1/25とガソリン、これはあくまでも標準です。そのエンジンの説明書を参考にして下さい。この混合された燃料はキャブレーター(気化器)でエンジンの必要回転数に適合な量をアクセルの調整により、クランクケースに入ります。クランクケースに入った霧状の燃料はピストンが下がるとその圧縮でシリンダーに導かれます。そうしてピストンが上がると、ピストンによって圧縮された燃料は、気化しているところに電気を使ってプラグより点火、約6000ボルトでスパークすると燃料が爆発しピストンを押し下げます。この行程が原理です。
4サイクルは吸気バルブと排気バルブが有り、これ等を動かす行程を使っているので、2サイクルは一回転に一度爆発をしますが、4サイクルは2回転に1回の爆発となります。
2サイクルエンジンの調子が悪い時は、先ず燃料の点検をします。混合燃料が古くなると調子が出ません。新しく燃料を取り替えましょう。それでも駄目な時は、点火プラグを外して火花が出るか点検をします。プラグはどこかにマイナスアースを取らないと点火しません。青い火が出れば良し、火か小さな赤い時は交換しましょう。
現在のエンジンはポイントレスが多いしトランジスター点火装置ですので、つぶれる事は少なくなってきていますが、点火が全然しない時は、これが原因かも知れません。この装置はそのエンジンの専用部品なので専門店に相談して下さい。2サイクルエンジンはキャブレーター詰まりの故障がよく有ります。この場合はキャブレータークリナーで掃除してください。これでエンジンが快調に動く場合がよくあります。
点火プラグとスターターの引っ張り紐はよく切れますので予備を積んで置きましょう。

昔漁船に使われていた電気チャッカー。このエンジンは農業用発動機と同じで、最初はガソリンで回して発熱すると石油に切り替えて使っていました。焼き玉エンジン。これはセミディーゼルと言います。点火は焼き玉で爆発を起こして回転します。
これは2サイクルです。燃料は重油を使用します。
一般的にヨットに搭載しているエンジンはディーゼルが多いでしょう。
ヨットは軽油を使用です。
現在のディーゼルは4サイクルです。ピストンの高圧縮により圧縮された空気に燃料が発射されて爆発をします。キャブレーター(気化器)は有りません。空気を取り込む筒が有り、エアーフィルターが取り付けられています。吸気バルブにより導かれた空気はピストンの上昇により圧縮されます。その圧縮されたシリンダー内の空気に、噴射ノズルで霧状の燃料が噴射されて爆発を起こします。アクセルは燃料噴射ポンプの燃料比を変えて回転を変えます。
燃料タンクより導かれた軽油は、エンジンに付いている燃料ポンプ、ダイヤフラム式により燃料ろ過器を通過し、燃料噴射ポンプ(ピストン式高圧縮)に送られ、シリンダーヘットに取り付けてある噴射ノズルより、シリンダ内に霧状にして注入されます。空気を圧縮すると発熱します。霧状にした燃料が発熱した圧縮空気に噴射されて爆発が起こります。
ガソリンエンジンとの違いは電気を使わない。燃料は空気と混合していないので余った燃料は再度燃料タンクに戻す装置があります。
燃料を切らすとガソリンエンジンと違って、エアー抜きをしなくてはなりません。燃料を補給しても、給油パイプの中に空気が溜まるので、燃料ろ過器のところで空気を抜きます。噴射ポンプの燃料補給口でも抜きます。噴射ポンプに空気が送られて来ても、ポンプの力では燃料を吸い込むことが出来ないからです。空気が少しでも残っているとエンジンがかかりません。
空気抜きは、燃料を入れたあと、燃料ろ過器の上にある空気抜きネジを緩めて、燃料ポンプのレバーを上下させ、ろ過器の上より燃料が溢れてくるとネジを締めこみます。次に噴射ポンプの横の上にあるネジを緩めて、同じくここでも燃料が溢れるまでポンプを上下し、溢れてくると絞めこみます。これで一通りですが、燃料レバーを使わずにデコンプで圧を抜いてセルモーターを回して抜く方法も有ります。
ディーゼルエンジンにも型式はいろいろ有ります。古い処ではダイヤの3.5。当時としては漁船用を流用していました。同じ縦型のボルボ、横型ではヤンマーのYS,YAシリーズが有ります。これは農発の改良型。外国製ではビレーのガソリンエンジン、ハリンマンやその他のエンジンも入って来ていましたが、現在はボルボ製とヤンマーが主流となって来ています。どちらも似通ったエンジン構造でOHVの縦型式です。馬力表示については、昔は農林馬力表示の物も有りました。今でも漁船で使っている事も有りますが、農林馬力は回転馬力の約1/3の表示です。
今のエンジンはヨットに関しては自動車と同じく回転馬力を表示するようになりました。良くある故障は冷却水の循環系統です。ウォーターポンプのインペラーの故障、サーモスタットの故障、排気管ミキシングエルボ、エンジンヘッドの潮詰まり、冷却水配管の詰まり。これ等については5年を過ぎると一度点検をしてみて下さい。
毎年の点検として、エンジンに取り付けられている防蝕亜鉛。これは毎年一度は取り替えてください。二次冷却装置のエンジンは防蝕亜鉛の無い物も有ります。
電蝕防止としてエンジンマウントはゴムクッションで断線しています。プロペラシャフトの防蝕亜鉛も勿論一年毎に取り替えましょう。プロペラシャフト側のフランジとエンジン側のフランジが直接取り付けられている場合を除いて、フレキシブルカップリングの場合はアースを取っておきましょう。そうすることでエンジンとプロペラシャフト、スクリューが一体となってジンク防蝕亜鉛と繋がって電蝕の防止になります。
冷却水が吐き出されているからOK,とは言えません。水温度が問題です。エンジン、ヘッドに潮が詰ったりサーモスタットのところで潮噛みをして、冷却水がエンジン内部を通らずにバイパス経由で吐き出されている時も有ります。たまには吐き出されている冷却水の温度を調べましょう。エンジンの温度は80度〜90度が効率が良いのです。
よくある故障でミキシングエルボ詰まりが有ります。悪くすると冷却水が逆行してエンジン内部に入り込んでシリンダーとピストンが固着する事もあります。
その他にオプションで予備の燃料タンクや水分分離器、又冷却水のろ過器などを付けている方も沢山います。自分に合った物を選びましょう。予備用品はいつも積んでおきましょう。
例えば冷却水ポンプ用インペラー、ホースバンド、Vベルト、その他インペラーの取替えは航海途中では揺れる船の中では難しいので、ボンプの予備を積んで置くのも良いでしょう。
ミッションのオイルの点検は通常の乗り方では、4〜5年で一度で良いでしょう。

ヨットの電気はDC(直流)12Vが多いです。発電機は船外機ではセル使用のエンジンではセルダイ式と言ってセルモーターとダイナモーが兼用になった物がよく使われます。この発電装置は直接DCを発電しますので、バッテリーに直接ダイオード(逆流防止)を咬ませて充電出来ます。ディーゼルエンジンも昔はダイナモーと言うDC発電機でしたが、近年は車と同じくオールタネーターでAC(交流)発電して、それをトランジスタでDCに変換して使っています。この方が高発電量を発生出来ます。通常25A〜45Aの発電装置が設置されています。発電ボルトは約13.5V〜14Vぐらいの発電電流でしょう。
予備充電器としてソーラー発電機を付けるのも良いでしょう。発電量にもよりますが、真夏に長時間、電気を使わない時は過充電になりかねませんので、スイッチで切る事も考えてください。(大容量のソーラー使用時)
バッテリーはそのヨットによっては、いろんな積みかたが有りますが、内海航行では手ごろな物ですと、ホームセンターで売っているもので50〜60Aぐらいの物で十分でしょう。
バッテリーは当り外れが有ります。
外洋を帆走するのであれば、風力発電機も考える必要が有ります。バッテリーもメンテナンスフリーのゲル仕上げが良いでしょう。
内海帆走のヨットに積むバッテリーは安いほうが良いと思います。何処でも手に入れ安いからです。
昔はキャビンの室内灯と航海灯ぐらいしか電気の消費が無かったのですが、近頃はGPSや無線機その他の電気使用機器を沢山積んでいるヨットは、バッテリーも大き目が必要となるでしょう。
仕様によって一個のバッテリーで全部まかなっているヨット、二個のバッテリーを利用して切り替え方式で使っているヨット、二個のバッテリーでエンジンスターター用とサービス用キャビンライトやオートヘルム、GPSなどに使っているヨット、その艇の当初からの設備にもよりますがいろんなパターンが有ります。二個のバッテリーを並列に使っている場合は、取り替える時はどちらも新品にして下さい。電池と同じで四個のうち二個を取り替えても完全復帰はしなく、古い電池に引っ張られるのと同じ事です。
私のお勧めはどの方法でも良いのですが、一個のバッテリー使用の方は、予備に一個の充電したバッテリーを積んで置きましょう。ディーゼルエンジンは圧縮率が高いので手回し始動は無理がかかります。
デコンプを解除すると、2気筒や3気筒は回わす事も可能ですが、短気筒は難しいです。バッテリーは完全放電してしまうと、再度充電しても回復しません。注意して使いましょう。
配線について、ヨットの配線は潮が付着してきますのでターミナルのところにグリスを塗ったりシリコンでコーキングなどをしておくのは良いでしょう。結線は半田付けか圧着付けが良いでしょう。捻ったままの結線は故障のもとです。外部での結線には保護用に自己有着テープが良いでしょう。内部ですとビニールテープでも良いです。使用電気の消費量を考えて一回り大きな電線を使う事をお勧めします。配線は船底に転がさない様にしましょう。船底に転がして配線をしている途中で結線をすると、ビルジーの水が浸透して、直ぐにオシャカになります。どおしても次から次と便利な物か増えてきて、たこ足配線にならない様に気をつけましょう。
本船では使う箇所にもよりますが、銀メッキをした電線を使っている物も有ります。被服のビニールと電線の間に潮が浸透してきて電線の表面が黒く錆びているのを見かけた方も有るでしょう。思わぬところまで潮が入り込んできます。
新たに配線をする場合は、ヒューズかブレーカーを取り付けましょう。出来れば撚腺でなく単線を使いましょう。近頃は100Vの機器も使う事が増えてきました。インバーターを取り付ける場合は、バッテリーの近くに太い線で配線をして下さい。インバーターの変換電圧容量によりますが、特に100Vのモーターや電子レンジ又冷蔵庫の使用時は注意が必要です。電灯以外の機器は起動電流に通常の使用電流の倍近く電流の使用量が必要とする物が有ります。電子レンジは安物を使用してください。コンバーター付きは使用不可です。インバーターの交流電流は完全ではなく脈流になっているからです。
陸電装置は近頃増えてきていますが、入れっぱなしでおける過充電防止装置付きなのか、それとも単に充電する充電器を使っているのかにより切り替えが必要でする。バッテリーの過充電もバッテリーの老化に繋がります。バッテリーが怪しくなると比重を計ればよく分かります。テスターぐらいは積んでおきましょう。配線を追加した時は今後の為にも配線図を書いて置きましょう。
此処で少し電蝕に触れておきます。二種類の金属が交わりその間に海水が流れると電流が発生します。ようするにバッテリーと同じ事になるのです。スクリューの回転で海流が早く流れると静電気が発生します。此れによって金属が蝕まれる事を電蝕と言います。係留艇でも潮の流れや船の揺れる事により発生します。
陸置艇は幾分か海上係留より救われます。エンジンにおいても海水でエンジン内部を冷やしている関係で発生します。エンジンやスクリューだけでなくスルハルやバルブも電蝕の対象になります。
以前、スルハルやバルブ類及びエンジンにアースを取ってバラストキールに結線していたヨットも有りました。効果の程は分かりません。真水では発生率が少なく、車のエンジンにはジンクは付いていません。
発生率は銅やホウキンとその他の金属の電磁差の多い物に良く発生します。ジンク亜鉛(防蝕亜鉛)は発生を防ぐのではなく、発生した電気を集めて集中的に電気に食わせ、他のところを蝕まないようにするのが役目です。
一年が経ち防蝕亜鉛が少ししか減っていない時は、どこかに迷走電流が逃げていて他の所で電蝕が起こっている可能性が高いです。
マストに落雷が有ると大変です。マストよりバラストキールにアースを取っておきましょう。

機走でよく振動の話が出てきますが、セールドライブ式は事実上振動はしないと言うことが現実です。
シャフトドライブ艇の振動の原因は難しく、回転数によって起こる回転と起こらない回転が有ります。いつも常用している回転数の時は気になるものです。エンジンマウントのヘタリによってプロペラシャフとの芯が出ていない場合。これはマウントを調整してカップリングとシャフトとの繋ぎ目をシグネスゲージで計り狂っていれば、調整でよくなる場合が有ります。スターンチュウブの調整も忘れてはなりません。
スターンチュウブもいろんな形式がありますので、自艇に付いている物の部品などをよく見て調整をして下さい。グランドパッキンはよく入れ替えると言う人がいますが、キッチリと使用書通りにはめ込んでいると、普通の使い方ですと、一年に一、二度少し絞めこむだけでOKです。交換は五年を目処にしましょう。グランドパッキンは輪切りにして切口をずらして数本入れます。
スタンチューブの締め込みは、時たま海水の小粒が落ちる程度と言われています。締め込み過ぎると熱が発生します。プロペラシャフトやエンジンの負担に成ります。熱量は人肌程度と言われています。
バラストキール取り付けボルトの締め込み部の浸水は要注意です。締めこんで直る物と、直らない物が有ります。直らない時は上架をして徹底てきに点検をしましょう。取り付けボルトの穴の付近にクラックが入っている場合も有ります。この場合は要注意です。少しの水漏れであっても、バラストキール取り付けボルトの緩みにより艇がヒールをすると、その隙間より漏水が発生し、バラストが波により、ゆすぶられて振動する事も有り、漏水も発生します。ヒール時は船底とバラストキールの取り付け部に、負担がかかります。
中古艇を購入した場合は、以前に座礁をしたりして修理をしていると、要注意です。その時点で修復が出来ていても数年後に後遺症として出てくる場合も有ります。
良くある故障の内、推進力の低下や振動ですが、スクリュウの脱落。フオールデングペラは差込ピンの固定用の押しネジの脱落で、ペラの片羽の脱落を良く見かけます。上架時には必ず確認をして置きましょう。固定翼の場合は、プロペラシャフトの最後の止めネジ、Wナットの物や割りピンで固定している物が多いです。上架時これらも一年に一度は忘れずに点検しましょう。船外機のペラはシャーピン式とゴムプッシュ式があります。これ等の式は無理をするとピンが折れたり、ゴムプッシュが空回りしたりします。エンジンの回転を上げても推進力が無い場合はこれ等を点検してみて下さい。
シャフトブラケットに付いて。ボトムより突き出している型式の物は取り付け根元を点検して、強度不足と思われましたら、FRPなどで補強をします。私は以前この方法でエンジン回転の強震点を変えたことが有ります。その他にブラケットのコックポート(カットラスメタル)とのガタや、フオールデングペラのガタなどの原因も有ります。
ウオーターロック。ステンレースの箱型や筒型の物が有ります。5〜7年ぐらい経つと、溶接のしている処がサビてきて、穴が開く現象が現れます。エンジンを回して舟底に水がたまっている時は、水が温もっていますので直ぐに気が付きます。エンジンを停止さすと止まります。航海途中になると水中エポキシなどを積んでいると便利です。この商品は水の中で固まります。粘土状に二種類の用材を手で練って、先ず爪楊枝か割り箸をケヅって穴に差し込んで、その部分にこすり付けて盛り付けます。30分で硬化が始まり約1〜2時間で完了します。この商品はヨットには必需品でしょう。ウオーターロックに限らず漏水の一時押さえに十分使う事が出来ます。
私も九州周遊の途中。ギャーレーの清水ポンプが破損。これにて修理をしました。泉大津のたなぼたはクルージング途中で、エンジンの二次冷却用のサーモスタット、カバーが破損。これにて修理、航海を続けました。世界一周したロイヤル石津ヨットクラブの立尾さんが、パサトーレー28Fで航海途中、スケーグの取り付け部の締め付けボルトより浸水。これにて一時押さえをして無事に帰ってくることが出来ました。この商品はお勧めです。
ステンレースの性質上、溶接修理をするとその部分の合金が分離してサビがよく発生しますので要注意です。今はFRPの製品も有り、交換すると良いでしょう。
その他の海水のビルジー原因は、ハルとデッキの取り付け部より、ヒールをさしてデッキを洗うと入ってくる場合も有ります。清水タンクの漏れ及び配管の漏れ。窓よりの雨漏り。いろんな原因が有ります。とにかく外部より入ってくる水が船底に溜まり、ビルジーとなるのです。
ヘット(便器)の故障もよく有りますが。紙の使いすぎや、ゲストが使った後は必ず点検をして置きましょう。又使わないのに、直ぐ故障をして仕方がないと言う事を聞きますが、中のパッキンが固着して弾力が失う事で、故障の原因と成りますので、月に一度は使わなくてもポンプを、ポッピングしましょう。この事でピストンバルブの固着も防ぐ事が出来ます。電動ヘットは回転部にカッターが付いているので、紙や汚物を粉砕して排出する構造になっています。使用していない時はバルブは必ず閉めておきましょう。ホースはビニールを使うと月日と共に硬くなったり大きな管ですとべシャゲて使い物にならなくなる事も有ります。エンジン冷却水取り入れのキングストンバルブも、3〜5ヶ月に一度ぐらい開閉をしましょう。これ等をする事で故障を事前に発見する事に繋がります。
バルブについて、スリースバルブは丸ハンドルで中に太鼓状のベンが上下する構造で、一目見て閉まっているか開いているか分かりにくいので、スリースバルブを使用している艇は、ボールバルブに取り替えて置くと一目で開閉が分かります。

船底掃除。此れは皆さんも海上係留艇は毎年一度ぐらいはしていると思います。
今は自己研磨形の塗料をよく塗られています。近頃はこれが主流になってきたようです。水温が暖かくなって来ると、フジツボや海藻が付き易くなります。塗料の毒性がキツイ時期は塗って直ぐですので、上架時期は5〜7月が良いのでは無いでしょうか。上架して直ぐに水洗いしてぬめりを取り、フジツボはスクレッパーで落とします。これは船底が乾かないうちに処理するのが、効率が良いです。古い塗装を落とすのに、サンディングは電動の角サンダーか、水ペーパーで落としますが、使用ペーパーは80番ぐらいの荒い方が良いでしょう。 塗装前にシンナーでふき取るか、水洗いをして、しっかりとペーパーで落とした、古い塗料の粉を取り除いてから塗ってください。塗装仕上げはエアーガンか電気式のビービーガンで仕上げる方法と、ロラーか刷毛で塗る方法が有りますが、一般的には後書でしょう。刷毛使用では水平に刷毛を使ってください。ローラーは始めての方でも上手に塗る事が出来ます。シンナー混入の割合は時期と気温によります。自己研磨形では塩ゴムシンナーを使用します。
レース艇では塗装後、400〜600番の水ペーパーで仕上げるヨットも有ります。
船底塗料は二度塗りが基本です。水腺のところはよく船底塗料が溶け出しますので、三度ぐらいは塗っておきましょう。マスキングテープは塗装が乾くと直ぐ外しましょう。船底塗装は昔は(毒チャン)と言って鉛入りの固形方でしたが鉛公害の問題で使用禁止となり、今では一般的には自己研磨形が主流になってきました。自己研磨形の塗料に付いて以前は酸化錫を使用していましたが。これも公害の問題で現在は亜酸化銅の使用になっています。酸化錫ですと問題が無かったのですが、この酸化銅入りの塗料を金属に直接塗ると電蝕の原因になります。プロペラシャフトやスクリューは勿論。船底に取り付けられているシャフトのブラケットやスルハルなどは塗らないように。此れは固定型の酸化銅の入っていない塗料を塗っておきます。ペラクリーンと言うのもあります。
船底にオズモシス。ゲルコートとFRPの間に出来る物で、ふくらみが有る場合。点検は小さなドライバーなどを押し当てると中から腐った匂いのキツイ液体が出てきます。一回り大きく削り取ってエポキシに、タルクかマイクロバルーンを混入してパテを作って、埋め込んでその上にエポキシを塗りつけておきましょう。勿論仕上げは、400番ぐらいの水ペーパーで仕上げます。
FRPで修理をした時は、ゲルコートを塗っておきます。バラストキールをFRPで巻いていなくて、鋳鉄製でゲルコート仕上げのヨットが多いですが、海水が浸透してはがれてきている事がよく有ります。この様な時もオズモシス対策と同様な処置が良いです。簡単にするのであれば、ポリパテでしごく方法も有ります。バラストにサビが回っている時は、下地のサビを綺麗に落としてジンクプライマーを吹き付けるか、タールエポキシを塗ってサビ止めをしてから、エポキシで仕上げるか、FRPで仕上げます。二次接着はビニールエステルを使うと良いです。少しでもサビが残った場合は、腐蝕する恐れが有ります。そうして少しのでこぼこでしたらポリパテで仕上げても良いです。最後はゲルコートで仕上げれば最高ですが、なかなかそうは行きませんので、少しの面積で有ればポリパテでも良いでしょう。要注意。FRPやエポキシの作業をする時には、湿度と温度の管理が大切です。
レース艇は別として、一般に船底塗装は、水洗い後荒めの水ペーパー80番ぐらいで風化している塗料を落として再塗装をします。何度も再塗装をしているとつぎはぎになって来て凸凹になると、これを落として塗りましょう。レース艇では、一番良いのは古い塗装をゲルコートまで落として塗るのが一番です。
係留している水質や海域やその年によって。船底の汚れが変わりますし塗る塗料のメーカーにもよります。乗る回数にもより、一口に言う事が難しいです。
ペラクリーンは防止をするのではなく、回転によってついたフジツボなどが取れよい仕組みの塗料です。自己研磨形の塗料はペラの回転によって剥離する事が多いのです、その為の物です。
船底塗装剥離材について。今までの剥離材はゲルコートまで溶かす可能性も有り使えませんでしたが、最近中国塗料から発売になった(ナピアM)と言う商品が出てきたとの事ですが、高く付くのと、私は使用していないので使用感が分かりません。以下は剥離材のアドレスです。
http://www.yachtsupport.com/napier21.htm
舵も確実に点検して、シャフトがガタ付いている様な時は状態にも拠りますがシャフトの交換。これ等は自信が無い方は業者に頼みましょう。少しのガタですと、メタル(エムシーナイロン)で製作して取り替えるのも良し、又隙間にテフロンシートをかます事で良くなる場合も有ります。
雨漏りに付いては、木造艇は工法にもよりますが、ダイニール加工をしていなければ宿命的な物で付いて回る、メンテナンスと考えると良いでしょう。それと外部のニス塗りもその通りで、一年に一度はしなくてはならない作業です。
ニスは、現在2液のウレタンが一般的です。
チークデッキには、チークオイルを最低6ヶ月に一度は、塗っておきましょう。
木造デッキは真水で洗うとカビなどが発生しますので、海水で洗いましょう、
厚みの有るチーク材の場合は一年に一度サンド掛けをするのも良いでしょう。
後付けで、擬装品をよく取り付けたりしますが、穴を開けて取り付ける部分には、シーランとなどで、確実に水密に心がけましょう。FRPの単板は腐りが無いですが、木造は元より、FRPでも複合版のデッキや、ドックハウスが多いのでしっかりとした、水密が必要です。FRPの複合版は、いろいろ有ります。パルサーのコワーを使用している物、一面にパルサーをサンドイッチにしている物、合板のサンドイッチ、クレセゲルの物、ハニカムコワーを使用している物。いろんな工法が有りますので、自分のヨットが、何処の造船所で作られどのような構造なのか、単板か、複合板か、材料は何を使用しているのか、よく調べておきましょう。
新艇もですが、中古艇の場合は、特に以前のオーナーがどのような使い方をしていたのか、電気配線も生まれたままと言うのは有りません。一度自分で確かめる事、出来れば簡単な配線図を書くことです。配管もその通り、ゴムホースも大丈夫か、バルブOKか、調べておき、今は替える必要が無くても、今後のために予備部品として積んで置きましょう。
船底を塗装するため、上架した時の点検は、ラダーシャフトの取り付け部、プロペラシャフト、ブラケット取り付け部、及びカットラスベアリング。各スルハルとバルブ類。バラスとの取り付け部。その辺りを注意して点検をしましょう。電蝕はバルブにも発生しますので、青白い粉が付着している時は要注意です。
エンジンの載せ替えているヨットも同じ事で、確実に自分なりに良く状態を調べて、航行中でも修理が出来る様にして、予備部品も積みましょう。ベルト類やインペラーは消耗品です。
船体塗装については。元来FRPですと、ゲルコートを塗るのが良いです。少しの部分的な物ですと出来ます。FRP艇の一寸した破損は自分で治しましょう。FRPの二次接着はビニールエステルを使いましょう。ハル全体とか、ドックハウス全体という事になると、ゲルコートはなかなか出来ません。塗装をするとすれば現在はウレタン塗装が一般的です。これは木造艇も同じ事です。FRPにしても木造にしても塗装やゲルコートで表面処理をしましょう。表面を塗装をする事で、素材を赤外線や紫外線、又水からも守る事が出来きるのです。
FRP艇でゲルコート面を触って少し粉のような物が付く場合は、薄くバフ掛けをして取り除きましょう。粉が付いていると表面積を増やす事になり紫外線や赤外線の影響が増えるからです。
船は一旦出港すると、自分ひとりの孤独の世界。故障などしても、車の様にジャフを呼ぶことや、路肩に止めておく事も出来ません。車に乗るのと同じ様な考えで、絶対乗らない様心がけましょう。
ロイヤル石津ヨットクラブは、結成当時より自作者が多く。木造合板艇で日本一周をしたおおすみ号。世界一周をした信天翁。FRP自作艇で世界を回った、たらちね。外洋には出ていませんが。ちぬ。ワイワイミミ。大阪太郎。その他数多く有ります。会員は助け合いをして皆さん、自分のヨットは自分達で、改造をしり修理もています。最近では世界一周無寄港したエオリアも、自分の手で改造しました。
泉大津ヨットクラブでも、自分達で改造や修理をしている人たちが沢山います。エンジンの乗せ替えは勿論。プレーニングボードなども沢山自作をしています。わからない時は先輩に聞くと、知っている事は気持ちよく教えてくれます。皆さん挑戦してみては如何でしょうか。ヨット屋さんに全て任すのではなく。自分で整備や修理の出来るところは自分の手で、そうする事が、今後起こりうるトラブルを防ぐ事につながります。

車でもヨットでも、近場の移動でも、長距離移動でも、特にヨットは港より一歩出航すれば、人に頼る事は出来ません。故障すると、洋上で修理をするか、自力で帰ってくるか、近い港に移動するしかないのです。出来れば近くの港まで帰って来たいと言うのは私だけでしょうか。皆さんも同じだと思いますが、そこで予備部品と工具なのです。万一の事を考えるにしても、ピンからキリまで有って、どうすれば良いのか、悩んでしまいます。内海ではヨットはエンジンと言う御仁がいます。
私もその様に思います。自然の風を利用して帆走するヨットは風が推進力。風が無くなると共に推進力が失われ潮に流されます。
ヨットの先輩の著書には。嵐になれば港に入るより沖に出して待てと言います。ヒーブーツもしかり。シーアンカーもしかり。これ等は外洋や近海の航行の時は其の通りですが。内海や沿岸10〜20マイル航行のヨットでは無理では無いでしょうか。ヒーブーツをして艇を風に立てても潮の流れに乗って30分もするととんでもない所まで流されます。確かに一理有りますが、これ等は大嵐の場合でほとんどの皆さんは限定沿海か沿海使用であり、航行途中で風速30〜40ノットぐらいの風では皆さん港に向かうでしょう。
内海でのクルージングは強風波浪警報の出ているのに出航しないでしょうし。途中で大風が吹いてきても数時間持ちこたえると港に入れます。その時にエンジン停止と言う事になれば、進路保持不能に等しいです。帆走で入港と、よく言いますが。実際強風の時、入りなれた港はいざ知らず、初めて入る港の入り口での、コントロールが難しいです。港内に何が有るか分からないからです。
外洋の航海と考えも違ってきます。外洋は嵐に合えばその嵐より逃げる事と。艇の安全航行に全神経を使います。エンジン使用などを考えずに縮帆しても転覆や横倒しに成って再起不能にならないようにしなくてはなりません。縮帆したセィルでも上げていて転覆した時にはセィルで波をすくいマストやリギンにストレスがかかりデスマストをしたり転覆すると、艇の復元が出来なくなる恐れも有ります。艇内に海水を入れない事が第一です。浸水してしまうと艇内の容積面積が少なくなり復元が尚難しくなるからです。
内海でも外洋でも一歩、先持って早めの対策をして、慌てずに無理をしない事でしょう。船が転覆しても横倒しになっても最後の最後まで船体放棄はせず。浮いてさえいれば艇より離れない事です。
外洋で台風に合ってしまうと逃げの一手でしょう、内海では台風が来るのに艇を出すと言う事が無いでしょう。当然内海航行とは別。内海は淑帆をして帆走するか、セィルを降ろしてしまい、エンジンを回して進みます。内海ではエンジンは一番頼りに成るからです。
この様に書くと批判も有るかも知れませんが、実質内海で乗っているヨットマンのほとんどの人がこの様な航海をしているのでは無いでしょうか。長期のクルージングでも。沿海を走るヨットは帆走する時間よりも、機帆走の時間の方が数倍も長いからです。実質モーターセィラーの様な使用をしています。
一日の中、同じ針路で走る事も少なく。同じ方向から風が吹く事も無く。同じ風速と言う事も無いからです。外洋航行はこの反対で何日も同じ針路で走りますし、同じ方向から風も吹きます(貿易風など)エンジンの使用は入出航と発電用に使用するのが原則でしよう。
私は軟弱なヨット乗りで冒険などとは程遠いし、ヨットは楽しく遊ぶ舟と言う考えています。ただ自分の判断で出航し、自力で帰って来る事に心がけているだけです。エンジンは回れば風が無くとも完全に推進力に成ります。
予備用品はエンジンメンテナンス用部品と、帆走用品の予備です。先ずエンジン関係は。冷却水系統で、出来れば冷却水ポンプ、アッセンかインぺラーとパッキン1組。各種ベルト類。各種ボルト及びナット特に4ミリ〜8ミリ長さも各種。ワッシャー、ヘキサゴン等のボルト。ホースバンド各径の物。帆走予備品は、針金、電線、割りピン、タンクピン、ブロック各種、シャックル各種、ハリヤード用ロープ及びシート、ヒュウズ、ワイヤークリップ、スナッチブロック、木栓、セィルクロス及びリペアー。沿海航行でも長期となると予備アンカーやフェンダー、グランドパッキン、その他の物も考えなくては成りません。予備用品に付いてはまだまだ有りますが、最低此れぐらいは揃えておくと良いでしょう。
工具は各種スッパナー。各メガネレンチ類。ボックスレンチ。ヘキサゴンレンチ。プラスマイナス、ドライバー各種。ペンチ、ニッパー、ハンドバイス、ヤスリ、ペーパー、小さなモンキーレンチ、ハサミ、ナイフ、充電式ドリル及び金鋸、電動サンダー、その他自分にとって便利に仕える道具。
その他の物、予備のエンジンオイル、CRC,接着材各種、シリコンシーラント、セィルリペアーセット、リペアークロス、ビニールテープ及び自己由着テープ、テスター、DC12V用半田ゴテ及び半田、ガストウチランプ、各種スイッチ、航海灯予備電球、ハンドライト、懐中電池、乾電池、緊急用の医薬品、海図や港湾案内書などの航海用品、書いて行くと切が有りません。自分で判断してください。
泉大津のヨットで電気サンダーやドリルも積んでいる人も沢山あります。大き目のインバーターを積んでいると、航海中でも電動工具も使えます。ボースンチエアーなぞもその内の一つかも知れません。それらを良く考えて。自艇の航行範囲や程度によって選択をして下さい。トラブルに合った時に最悪どうにか、近くの港に帰りつける工夫をしましょう。昔は予備ダダーも積んでいたヨットも有りました。
ハリヤードの取替えは古いヤードの端に、新しい物を縫い付けて引っ張る事で交換が出来ます。万一途中で切れた場合はタコ糸などにナット8ミリぐらいの物をくくりつけて空いているハリヤードで、ボースンチエアーにくくりつけて、ウインチで誰かに巻いてもらい、マストに昇ります。切れたハリヤードのシブの上からナットをマストの中に落としてゆきます。マストの中でナットが当たり音がするのでどの辺りか、直ぐに分かります。取り出し口より電灯で照らすと良く分かります。取り出し口より下までたらしておき、針金を曲げた物を作って、その取り出し口より差し込んで引っ張ります。先ず細いので難なく取り出せます。そこに新しいハリヤードと結んで反対より取り出します。この作業は2,3人が必要でしょう。
現在量産されているほとんどのヨットは、スタンダードのままで、世界一周は出来ないでしょう。何らかの改造や補強をしなくてはなりません。日本国内のセィリングクルーザーの使用は限定沿海や沿海使用が多く、近海や外洋使用は1/100艇ぐらいでしょう。少数使用者の為のセィリングクルーザーなどの量産は企業としては成り立たないでしょう。殆どのヨット乗りは沿海使用で乗っている人が一番多いのです。
サンデーセィラーが然も多いのです。
このページに記載した事は一般的なクルーザーヨットについての事で、大きさも形もいろんなヨットやいろんな艤装品もが有ります。あくまでも自分のヨットの使い方や、海域によって自分なりに考えて下さい。
皆さん可能な限りいろいろと挑戦して楽しいヨットライフを何時までも続けましょう。
但し予備用品や工具を積んで置くだけなら、誰にでも出来ますが、航海途中で自分で修理が出来なくては意味が有りません。その為にも業者に任さず、日ごろから自分の手で修理をする事をお勧めします。又予備用品などは停泊地で一度取替えなどをして確かめて置くのも良い事かも知れません。

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現在のレース艇ではセィルの材質も違い随分と変わり、考えも異なっています。最近の内海のレース艇では、風がきつくても、ワンポンやツーポンをせずに、ただタイトにセィルを引き込んで。風を逃がしながら帆走す方法が取られてきています。昔はエリヤを小さくしてと言う考えだったのですが。現在は逃がすとの事です。勿論材質は元よりセィルカーブも違ってきています。
我々のクラブレースで行われている草レースのホワイトセィル艇には今でも通用する部分も有ると思います。クルージング艇も当時はマストヘットリグ、今はフラックショナルリグと変化をしています。
資料は。昭和53〜6年当時マストヘット艇が多くフラックショナルリグが少なかった当時です。その積りでお読み下さい。
此処では一般的に言われています。船長の義務は省略しす。あくまでヨットを帆走する為の心得としています。

1 レースやクルージングの日に合わして、事前に艇の手入れをしておく事。
その1 船底の手入れ。 その2 リギンの手入れ。
その3 セィルの手入れ。 その4 計器の手入れ。
その5 エンジンの手入れ。
2 天気予報をTV又は新聞で確かめる。
その日の潮の満ち引きを新聞で調べておくか、出港する港で確かめる。
潮の満ち引きは約5時間ぐらいで変化する。
その日の風に合わして、セィルをセットする。
以下は参考 です。
「風速1bは約2ノット」
@ 風が0〜5mまではNO1ゼノアー150%。フルメィン。
A 風が4〜8mまではNO2ゼノアー120%。フルメィン。
B 風が7〜12mNO3ジブ100%。場合によってはメインセィルのフラッタを引く。
C 風が10〜13mの時はNO3とメインセィルをワンポイントリーフする。
D 風が12〜15mの時はNO3とメインセィルをツーポイントリーフする
E 風が14〜17mの時はストムジブとツーポイントリーフ又はスリーポイント。
F 風が17m以上の時はストムジブとメインセをスリーポイントする。
以上は平均的なセットであるが、風上行きと風下行きでは、見かけの風に合
わさなければならない。それと波にもよるのでその時々の判断が必要。
又艇の大小。バラスと比。乗員。クルーの技量。いろんな問題が有りますので、
一言には言えません。
判断の目安としては、風上に上って行く時、約25度以上の角度でヒールをする
とセィルを一段小さくする。(クルージングでは無理が禁物)走っているヨットの
上でみる風は見かけの風であり。ヨットのスピードが早ければ早いほど見かけ
の風が前に回る。
10ノットの真の風の場合上り角度一杯で艇速5ノットで上ると。見かけの風が約
14ノット以上となる。又コゥターリーで帆走すると見かけの風が同じスピードと
すれば風が落ちて、見掛けの風が約6ノット以下と成ります。

★ 計画は行く日程により異なるが。例30フィートの艇で2GMのエンジンでは最高
速度、約平水で6,5ノット。外海では波もあるのでクルージングの場合は約6ノ
ットで計算をする。
波が静かであれは6,5ノットでも行けるが機帆走での計算です。セイルはレ
ースに比べると。ひと回り小さめにする。なぜならば、風でぎんぎんの走りをし
なくても良い。無理をせず。楽しく行くのが目的です。ほとんどのクルージング
では時間に制限しますので、機帆走が主に成ります。風が無い時に機走のみ
のヨットも見かけますが。
風が無くともメィンを上げる癖を付けましょう。艇のゆれ止めと6ノットで走ると
すると6ノットの風を生む事に成ります。必ずセィルは上げましょう。
★ 行き先が30マイルとして約6ノットでエンジンで走ると=5時間。1時間機帆走
するとして(2GM)1時間約2.3リッタの燃料消費で計算すると11,5リッターこれに
20%ぐらいの予備燃料がいる。そうすると約14リッターが必要最小限でしょう。
エンジンオイルは絶対に入れすぎない様にしましょう。入れすぎると、ヨットが
ヒールしてエンジンを回していると、ピストンが下がった時にオイルの中に突っ込
んで、ピストンが割れる可能性があるからです。
★ 目的地に着く時間に合わして出港時間を決めることが原則。潮の満ち引きを
参考にして、直線距離に約10%の距離を加算して計算をする。こうする事によ
り時間に余裕が出来ます。
★ 海図をひいて計画を立て。食料、プロパンガス、燃料、もやいロープ、アンカー、フ
エンダー、雨具の用意、非常食、海図、陸地と連絡の方法、勿論天気予報も
取って置く事。乗員数の救命具及びライフハーネス等も必要。夜間航行も含め
て航海灯の点検。工具。予備用品。その他いろいろ有るが、行く距離や日数
によって持って行く物も自然と決まる。
出来れば事前に行く港を調査しておく。ロラン及びGPSなどがある場合は行く
目的地をインプットしておく必要が有ります。特に暗礁や浅瀬に気を付ける事。
これ等を出航前に済ませておきます。

ヨットレースについて。レースの型式はいろんなパターンが有ります。オリンピック型式。三角型式。外洋レース。マッチレースとその他いろんな型式が有りますが、以前よりクルーザーヨットでクラブ主催で行われているのは三角型です。此れは、上り、アビーム、ランニング、の三角から構成していて、ヨットの性能が良く分かります。レーティングはNORCのIOR基準に準じて行っていますが。カヌーボディのピーターソン設計に準じた設計艇、スターンの絞った船は上りが良く。フィーノグループ設計の、ニュージャーパーンヨットのパサトーレーなどは、別名フライングパサトーレなどと言われランニングは得意としました。ヤマハ艇に良く見られるエンジンを前に積んだタイプ。これもレーティング数値のダウンとエンジン音の静けさを狙った物です。NORCのレース規定の計測もその年事で変わり。これ等を追いかけると素直な船形の設計が出来ないのが現状でしょう。皆さんもご承知の通り。純レーサーで無いR&Cタイプも年代によって船形の違いが分かります。
私のヨットはレーサーでは無いのでなどと言わずに。クラブレースぐらいは進んで参加しましょう。勝つた負けたより。帆走技術の訓練になります。
ヨットの前はバウ、ヨットの後ろはスターン。後ろの板はトランサム。梶棒はティラー。ハンドルはラット。梶はラダー。セイルを引き上げるロープはハリヤード。セイルを操作するロープはシート。リギンには二種類有ります。スターティングリギン。これはマストなどを支えているステーやシュラウド。マスト。ブーム。スプレンダー。タンバックル。スピーンポール。クリート。ウインチ(マスト、ブーム、スピーんポール)などはスパという言い方をする事も有ります。その他の物も含んで言う場合も有ります。ランニングリギン、この呼び方はヨットを帆走さすために使う物。ハリヤード各種。シート類。セイルも含む場合も有ります。風を前から受けて方向を返ることはタック。後ろから風を受けて方向を返ることはジャイブ。
風向きによる帆走の種別。風が0度より吹いているとして。進行方向の角度で分けると。クロース・ホールド。前方約45度から風を受けて走る走り方。(これ以上風上に向かっては走れない)クローズ・リーチグ(約60度)の風を受けて走る。ウインド・アビームほぼ真横(90度)から風を受けて走る走り方を言う。コウターリ横より後ろ(120)度から風を受けて走る。ランニング後ろから風を受けて走る走り方を言う。右横から風を受けて左舷にブームが出ている走りは、スターボートタック。その反対はポートタック。
ルールの基本は異なるタックにおいて優先権はスターボード・タック優先(ポート・スターボー)の場合。同一タックの場合はオーバーラップ有る場合は下優先(上・下)オーバーラップ無しの場合は追い越され追い越し(クリア・アヘッド)優先です。
此れはヨット同士の事で、漁船は最優先と思い航行をしましょう。特に気をつけなければ行けないのは、大阪湾の引き網漁船(バッチ漁)二隻の漁船が網を引きながら魚を追いながら引っ張る漁法です。この真ん中に突入する事はしないように、これ等の集団は網舟二隻と色見(魚を探す船)の三隻で一集団です。
風上運行の時タック変えると風上がはの真横が進行方向になる(90度)。方向を見るのに進行方向をを12時。右横を3時。後ろは6時。左横は9時と言う。前進することをゴー。後進することをゴースターン、又はアースターン。自艇の位置を相手に知らす場合は進行方向をコンパス角度何度(仮に0度)として3時の方向又は6時の方向に何が見えるかを伝える。此れはほんの一部分であり、初心者用と言えます。
上記の文章は昭和57年作成です、NORC「日本外洋帆走協会」のIORレース規定の計測もその後IMS計測と代わって行きました、現在ORC規格も有ります、その後日本外洋帆走協会と日本ヨット協会が1998年統合し日本セーリング連盟「JSAF」と成りました。

1 艇に行き、先ずスライドハッチを開けて入る。バッテリーのメィンスイッチを先ず
入れて エンジンキーを差し込み右に一段回す。キー横手のスターターエンジン
のスイッチを押す。かかりにくい時はアクセルの根本に有るチエンジ切り離し
ボタンを引っ張る。そしてアクセルレバーを少し前に倒すとエンジンがかかる。
そしてレバーを元の位置に戻す。
2 エンジンを始動し暖気運転をする。ディーゼルエンジンの場合。
3 艇内に入り。スイッチボックスの無線用。計器用。その他必要なスイッチを入れ
る、これはキヤビンスイッチと無線とコックピットの自動操舵装置のスイッチ。
その他の電源スイッチを必要に応じて入れる。船によって異なります。
4 メィンセイルのカバーを取りメィンハリヤードをセットする。その日の風に会わし
てセット。(スライダーの場合)スライダーでない場合はメィンセィルをブームに
セット、ジブをセット。ジブシートをトレールのブロックを返してセット。シートの端
はエイトノットで止めておく。(ファーラーの場合は別)もちろんポイントリーフ用シ
ートは前もって通しておく。フラッターやカニンガムも同じ事。
5 セイルのセットを済ますとティラーを括っているロープをほどく。両舷の定置用の
ロープを外し。風下側のスターンのもやいロープを外す。次にバウのもやい
2本とも外して。残っているスターンのもやいも外し。ゴスターンで出て行く。
前進より後進の方はバランスドラダーはティラーに力が掛かるので注意。
(他の船に注意)此れは鼻付けの場合で、横付けは別。
6 外海に出る前に、メィンシートをリリース、艇を風上にむけてメィンセィルを上げ
るそしてメィン シートを風に会わして引き込む、パーマネントバックスティを引き
込む、ぶら下がっている、フェンダーなどをしまい込む。
7 港を出てから進路を決めてジブセィルを上げる。風に合わしいジブシートを引
き込む。
8 以上の1〜7までの作業の順序を身につけていると間違いがおこりにくい。
手元 に5が有るから先にすると言う事はしないで、自分のヨットの状態を良く見
てこれ等の順序を自分なりに考えて行う事が、間違いを減らす事に繋がり
ます。
大勢のクルーで手分けして行っても、同じ事で、順序を間違わないように気を
付 ける事。
9 常識的(注意)出航前に。ビルジの溜まっていると思う時は先ずそれを抜く。
これは航行を終えて港に入った時に再度点検をして、万一ビルジーが溜
まっていた時に何処から入ったか、調べよいためです。
エンジン燃料の点検。オイルの点検。その日の食料の点検。飲み水の点検。
その他気にかかる事。救命具の点検。
陸地及び保安庁との連絡網確保。マリンVHF。アマチュアー無線。
工具は何時も同じ場所に格納する事。違う処にしまいこむといざと言う時に
慌てる。
10 目的地到着手前でエンジンをかける。出港した時とは反対に、ジブを下ろ
し仕舞いこむ。メィンを下ろす。セイルをたたむ。フェンダーなどを取り付けて
もやいロープ及びアンカーが必要な時は事前に用意をしておく。目的地到
着。鼻付けの場合は他の船に注意をして、他の船のアンカーロープなどが絡
まない様に注意が必要です。ゼットスローで片手で、アンカーをゆっくりと落と
してアンカーロープを滑らしながら、岸壁一艇進手前ぐらいでアンカーの効
きを確認してロープをクリートに引っ掛けてそのまま進み、岸壁の少し手前で
ロープを止めて、バウの舫いロープを持って飛び降りて、風上側のピットに
くく りつける。
この時は一本で良い。舫いを手繰り寄せて船に飛び乗ってアンカーロープ
を再調整してモニターを入れる。そうすると船がモニターの錘でバックする。
再度バウに行き。舫いロープを引っ張って乗り降りが出来るか確認をして、
潮の満ち引きを考えて、再度アンカーロープを調整し片方の舫いロープ
を持って船より下りて舫いを取る。此れで完了ですが、引き寄せのため細い
ロープがあればパルピットにくくってピットにバイト(行って来い)で取って
おく。此れは乗り降りを楽にするためと。出航の時に舫いを二本外して。
最後にアンカーを上げる時に岸壁に下りる必要が無いためです。
到着してからエンジンをスローで約10分近く回してからエンジンを停止
します。 これはエンジンを冷やしてから止める事のため。そうしないとエンジン
の熱い時に停止をすると。冷却水の潮が内部で固着するのを防ぐためです。
アンカーロープや舫いロープは予備の物も積んで置きましょう。
注意ピットやフカンに先に停泊している船が有る場合は、自艇の舫いをその
船の取っているもやいの下側に通しておく。
11 ヨットにはヒールが付き物です。自艇の燃料タンクをよく調べてヒールをして
も空気を吸わない様 に燃料の確保も大事な事です。又満タンはヒール時に
こぼれる 恐れも有ります。
晴れた日でも何時でも荒天の準備をしておきましょう。艇内に積んでいる物は
ヒールをしても飛び散らないように、しっかりと固定しておきましょう。
自然界は船が小さいから大きいからととか、子供だから女性だから、老人だ
から、古いヨットだからと。貧乏人だから、金持ちだから、モーひとつおまけに
美人だからと。手加減はしてくれません。無理は禁物安全が第一。夏でも
冬支度と言う言葉が有ります。着替えなどは何時も余分に積んで置き
ましょう。行くのも勇気。引き返すのも最大の勇気です。
★ ワンポイントアドバイス。強風の時のジャイブは危険を伴います。ブーム
パンチを食らって頭に大怪我をする事もあります。この様な時はジャイブを
せずにタックをして8の字に回りましょう。

@ 艇 の 前 後 ト リ ム に つ い て
艇の中心前後のトリム。左右のトリム、ピッチングやロ−リングを最小限に
押さえるためにも出来るだけ重量物はマスト後方の艇中心位置におかな
ければならない(そのヨットの設計通りに元付く)カタログなどで調べておく。
A マ ス ト チ ュ − ニ ン グ の 重 要 性
パマネントバックステイを引くとメインのリ−チと同時にジブのリ−チも開き
セィルがタイトになる。又サギングが少なくなり上り角度が稼げる。
風圧中心が後ろに来る。此れは特にフラックショナルリグの調整です。
★ ダブルロワ−システムのマストチュ−ニングはメインのラフに合わせバッ
クスティを引きながらベンド量を決定しそれにロワ−シュラウド合わせる。
オンデッキマストの艇はアッパ−シュラウドをある程度強くしロワ−シュラウドは
アッパ−より強くならない程度に張る。メンハリを使ってマストが、
ポ−トかスタ−ボ−どちらにも傾いていないか調べる。マストヘットりグ。
※ ワンポイント。ホワスティを伸ばしレ−キさせるとクロ−ズホ−ルドがよくなる。
だがフリ−の走りが悪くなる。又ヘルムが強くなる。自艇を良く見てチュニン
グをしよう。
B ヘ ッ ト セ ィ ル の ト リ ム
上りの時にはヘットセィルの力が必要だ。ここでレギュラジブに付いて話を
進める。近年ヘットセィルの形がアスペクトレシオの高い方になって来た。
100%ジブでは、I。J。P。の△内のu数で有れば良いのでアウトホ−ルの
位置が低いものになって来た。
ゼノアに於いても同じことで、Jの数値に50%+されるがアウトホ−ルの
位置がジブと余り変わらなくなった。150%ゼノアはj数値+50%をLPGと言
うLPGはホワスティの長さに対して直角に引いた長さを言う。アスペクトレシ
オの高いセィルを使うと上がりの強風でもメインセィルを出しても裏風が入
りにくい、(デメリットは前が見にくい)
微風の上がりやクローズリ−チングではヘッドステイのサギングが気になら
ないが、強風の上がりではドラフトが深くなり。上り角度よりも横流れが激し
くなるシブのハリヤードにテンションを掛けバックステイを引くとドラフト位置が
前に来てセ−ルがタイトになりリ−チから風が逃げよくなって、推進力に働く。
一般的には150%〜120%ゼノアで上がりの時には、スプレンダ−から
リ−チまでの間隔を、5p〜10p間ぐらいになるようにジブシ−トリ−ダを調
整して。リ−チとフットの弛みを取る。
自分の艇のヘッドセィルを調べてそのセィルに合った。リ−ダ位置を見
付けて。ジブシ−ト、トラックにマ−キングしておくとよい。
フリ−の帆走では。ジブを出して、メインセイルとのスロットルを詰め過ない
ようにする。
微風の時は。シ−トを緩めて風を抱き込むようにするとよい。
★ サギングとはホワスティにセィルをセットして、上って帆走した時に。
タックとピークの間が風に押されて風下に、たるむ事を言う。
★ ドラフトとはセイルのたるみの一番深くなっている処を言う。
C メ イ ン セ − ル の ト リ ム
メインのトリムはハリヤ−ド、カニンガム。アウトクル−バックステイからなる。
微風の時は各ランニングリギン共緩く。強風時には強く引くのが鉄則だ。
ドラフトの深さの調整はアウトクル−ですると共にバックステイを強く引くと
マストの中程が前にマストヘッドが後ろにスイングする。ホワスティも強
く引かれて、そのことによりジブのサギングが少なくなり、メインのドラフトが
前にいき、リ−チが開く。
よく見掛けるがメインシ−トの引き過ぎで、リ−チがつまりバテンが内側に
折れ込んでいる。
NO1〜NO2バテンポケットの根本に、テルテルを付けてみるとよい。
スト−ルを起こしていない場合、テルテルは奇麗に流れるテルテルが、
乱る場合はスト−ルを起こしており、この場合シ−トの引き過ぎである。
バックステイを引かないでメインシ−トを強く引いているとき、バックステイを
それよりも強 く引くと、リ−チが開く。
フリ−の帆走ではブ−ムが持ち上がるのでせっかくの風がリ−チから逃げ
てしまう。そんな時にブ−ムバングを引き込んでみよう。
★風が強くなって来たらカニンガムを引き下げる(クロ−ズホ−ルド)
ドラフトが前に来てメインがタイトになる。
強風時には風をリーチから逃がすためブ−ムバングを緩めツイストさすと
良くる場合がある。
★よく言われることだが、風が強くなるとヘルムがきつい。
生まれながらの艇の癖のものも有りますが。マスト及びメインセ−ルの
トリムで有る程度直せます。風圧中心を前に移動さす事によりウェザー
ルムを抑える事が出来る。
その艇の排水量及びバラスト比にも寄りますが平均して25°〜30°
ぐらいまでのヒ−ル角度ではティラ−角度15°〜20°まででとまると
思います。
(ヒール角度30°以上では推進力が働きにくく、横流れがきつくなる)
D ス ピ ン ネ − カ の ト リ ム
スピンネ−カはウインドアビ−ム〜クオタ−リまでが一番張りやすい。
(オ−ル パアパス) 基本的には。スピンポ−ルを風に対して直角にセット
する。スピンポ−ルの高さはクリュウアウトの高さと同じにする。まづスピン
ポ−ルをマストに取り付ける。フォアガイとポ−ルリフトをセット風向きに合
わしてフォアガイを止めておく(これを忘れるとポ−ルが舞い上がる)
アフタ−ガイをポ−ル先に通してスピ−ンにセット。ライフライ−ンの外を
通っているのを確認してクリートに止めておく。その艇により中を通す事も
あり、スピ−ンシ−トをセット。フォアステ−ィに巻き付いていないことを
確認してスピ−ンハリをセット。一気にハリヤ−ドを引き上げる。
スピ−ンが上がるとシ−トでトリムをする。
スピーンのシートはアフターガイとシートは同じですが、風上側をアフター
ガイと言うトリムはスピ−ンのラフが多少を崩れるぐらい迄、シ−トを出す
ことが必要であるゼットランで走っていると、風が強くなって艇がロ−リング
するようになれば風の角度とは関係無くドラフトの中心を艇のキ−ルライン
に近付けるようにする。ジャイブをするときには、フォアガイを少し緩めてお
いてマストがわのポ−ルをはずしてシ−トの方え付け変えガイの方を外し
てマストに付ける。
スピーンポルの入れ替えの時に、ジブシートをポールの上に乗せておきま
す。此れは反対タックでジブを上げる時のため。
E ジ ブ の 交 換 ( ハ ン ク ス )
オ−バキャンパスはスピ−ドロスにつながる艇のコントロ−ルもしにくくなる。
A新しいジブのタックを引かける。
B今上げているジブの下のハンクスを2ケ程はづしそこに新しいジブのハン
ス総てかける。
Cジブを降ろしハンクスをはづしハリヤ−ドを付け変える。
Dジブシ−トを新しいジブに付け変える。
Eハリヤ−ドを引き除〃にシ−トを引き込む。
F メ イ ン の リ − フ ( ス ラ ブ リ − フ )
Aメィンハリヤ−ドを緩めるメインのラフを引き降ろしワンポイントのタッ
クにかける。
Bブ−ムバンク及びメインシ−トを緩める。
Cハリヤ−ドを引く。
Dリ−フロ−プを引く。
Eメインシ−トを引くブ−ムバンクを引く。
F2ポイントリ−フも繰り返し。
Gフラットニングリ−フはメインセ−ルをリ−フするほどの事のない時に
セ−ルをフラットにする時にし用する(メインがタイトになる)

マストの各点の左右の傾きをチェックする。これら各点からハル左右のコモン
ポイントまでの距離が等しくなるように、サイドステ−のタ−ンバックルを締め
たり緩めたりするのだが、最初はこ工具を使わずに手で締める。
メインハリヤ−ドで計ると左右どちらかが長かったり短かったりする事が有る、
その場合はロワ−シュラウドのバランスが取れていない。マストトップが傾い
ているこのどちらかである。ロワ−シュラウドを締めると、トップの傾きが直る。
つぎにアッパシュラウドを張る。こうしてマストが真っすぐに立ったら、次に。
セイルのパワ−が100%ボ−トに伝わるように、もう少しステ−のテンション
を上げて行く。風速5〜6m、フルメインに150〜120%ジェノアでセイリング
しながらタックを繰り返し、風下側のステ−を締め込んでゆく。締め込み具合
の目安は、ちょうどステ−のゆれが止まるあたりである。
(風下側)下からマストを見上げて左右のベンドをチェックしながら行う。
◎ マ ス ト レ − キ
マストの前後レ−キ(ホワスティ)の調整に移る。
これはマストのレ−キを使って、自分の艇のラダ−アングル(ヘルム)を調整
する。これもフルメインに120〜150%ジェノアで風速5〜6mで走りテイラ−
を風上や風下に大きく切らなくても、艇が真っすぐ走る位置を探すのである。
マストは基本的には、ウオ−タ−ラインに対して直角の位置より前にレ−キさ
せてはならない。
よいヘルムとは、よいスピ−ドにつながる。よいヘルムとは、マストレ−キと
クル−の乗艇位置など、総ての物の前後左右のバランスを良くすることから
生まれる。

◎ マ ス ト チ ュ − ニ ン グ2 |
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本年9月M丸が名古屋より陸送してマストを立てた時に行った調整の方法です
1 新艇でない艇の場合、ジブファーラを使用しいると、マストレーキをどうする
のかと言う事より始めるが、中古艇で今まで乗っていたのであれば先ず此
れを信用して設置する。ホワスティを元のままに設置。シュラウドをゆ
るめに張って、バックステーをいっぱい引き込んでマストレーキを見る。
見た目にもマストレーキが悪ければ、フォアーステーを先ず調整」此処で
はレーキも悪くはなかったので、以前の使用を信頼した。
2 バックステーを強く引く。普通に引く。たるます。この三点を見て、先ず普通
に引 き、メィ ンハリヤードの端をマストステップと平行の、左右のガンネル
にたらして強く引き、左右が統一する処まで、
アッパーシュラウドを調整する。これで船に対してマストが垂直に立つ。
3 バックステーを強く引き込む。そうすると先ほど閉めたシュラウドが緩んでい
る事に気が付く。それを再度左右のアッパーシュラウドのタンバックルを
一回転〜2 回転閉めこむ此れは其の船のベン度量によるので一概には
言えない。
そうするとシュラウドが、普通に絞めこんだ時と同じ硬さに成る。
4 そして左右のロアーシュラウドを絞め込んで行き、アッパーシュラウドと同じ
位の硬さに張る。そしてマストステップよりマストトップを睨んでマストが真っ
直ぐ立っているか確認する。どちらかに弓なりに成っていれば左右の
ロアーシュラウドを調整する。
5 バックステーを普通まで戻して、左右のロアーシュラウドがアッパーより少
しゆるく成って いる事を確認する。
6 これであらましの調整は終わりますが、セィルを張って上り25度ぐらいの
ヒール角度で風下 のシュラウドがあまりにも、たるんでいないことを
確認し、細かな調整をして行く。此れは あくまでもクルージング艇の調整で
レース艇となるとセィルやロットの種類にもよりますが 一段と締めこむ必要
も有ります。
このヨットはノーティク27フィート。フラックショナルリグです。此処ではセイルの品質
形やドラフト。伸び率などを無視しています。本格的の調整は帆走してその
セイルの材質や伸び率などを考えて再度調整する事が望ましいのです。
この調整を元に記載しましたが、それ以前のものは昭和57年記載のままですので、当時の考えと今の考えでは異なっている事も有ると思いますが、あくまでも自分なりの考えで自艇の状態を見て行ってください。
この文章で分かりにくい事や、細かな説明に付いては、掲示板に書き込みを頂ければ、私の知る範囲でお答えいたします。

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ヘットセィル、
ヘットセイルとは、 I,(バウステーの長さ)J,(バウステーの根元よりマストの根元の前までの長さ)P,(マストの根元よりバウステー天辺の長さ)の三角の面積のセイルをジブと言います、これより大きなセイルはゼノアーと言って、ジブを100%として、120%とか150%ゼノアーと言います。ストームジブはジブの50%程です。NO1とかNO2とかの言い方は、自艇の100%ジブをNO3とした基準で大きいのは番号が上がり小さいのは下がる言い方をします。通常どのヨットでも150%ゼノアーが一番大きいのです。
シングルで操船
自動操舵にして、風上に艇を立てる、この時のエンジンスピードは風や潮に流されない程度でよい。メィンシートをリリース。ブームバングも緩めておいて、メィンを上げます。
これ等の事は前のページに書いていますが、ハリヤードを一杯引き上げてからメィンシートを引き込みます。その時にリリースしたブームバングも調整し、少し引き込んでおきます。
次はジブの展開
ですが、針路方向と風向きですが、アビームより前の風に設定します。 近頃はファーラーが多いので、風上のジブシートをリリースして、ファーラーの巻き取り用のシートもリリースします。そして風下のジブシートをウインチに巻いて、引き込みます。その後、針路を目的地にセットします。進行方向の、風向きに合わせてメィンの位置やトラベラーの位置も決めて、続いてジブの位置を決めます。風向きによって(アビームより後ろの風)はメィンハリヤードを少し緩める。そして艇速が付いてくると、エンジン停止をします。
(基本は先ずメィン続いてヘットセィルの順序で、トリムをしましょう)
タッキング タッキングは、風上のジブシートをウインチに巻いておいて、タッキング前にメィン、トラベラーを風下の方に幾分か戻しておきます。
舵を切り始めるとジブとメィンにに少し裏風が入ります、行き足を止めずに、少し舵を切って艇が風に立って、その後、舷が返った時に一気にジプシーとをリリースします。そして風下のシートを引き込みます。艇の行き足が付いて来るまで、慌てずにスピードを付けて、徐々にジブを引き込みます。この時にシートにロードが掛かりますので、ウインチハンドルを使いましょう。(微風の時でも最近のヨットは軽いので、ヘットセィルに裏風を入れてタックをするという事が少なくなってきました)しかしシングルの操船はジブに裏風を入れる方がやり易いです。
ジャイビング シングルでのジャイブは、コゥターかランニングで、先ず風下のジブシートを少し緩めて(緩める必要が無い場合も有ります)風上のシートをジブのクリユーがマストの前まで来る位に引き込みます。続いて、そのままメィンを返しても良いのですが、風がキツイ場合は一旦メィンを絞って返しましょう、返すと同時にメィンシートのリリースが必要です。こうする事でジブが自然と返ります、ジブの風上のシートをリリースします。後は風に合わせてメィンとジブのトリムをして下さい。
リーフィング
先ず風がキツクなる一歩手前が良いのです。シングルは早目が秘訣です(スラブリーフ)艇をクローズリーチングからアビーム近くまで針路変更しましょう、コウターやランニングでは無理が掛かります。先ずメィンの風を抜きます。ローリングが出ない程度に落とし気味で走らせます。トッピングリフトを引き込んでおき、ブームバングの引き込みをリリースしておきます。メィンのラフのクリングルを下げてフックに掛かる位置までメィンハリヤードを下げます(前もってハリヤードにマーキングをしておくと良いでしょう)マークは約クリングルより5〜10センチぐらい長くします。マストの処に移動して、クリングルをフックに引っ掛けて、ハリヤードを引き込んでキック、ウインチで引き込みます。そしてリーフラインを引き込みます、これもキツク引きこみましょう、緩んでくると折角リーフしたのに、セィルが深くなります。トッピングを緩めておき、メィンシートを引き込んで、ブームバングも引き込み、その後メィンのトリムをしましょう。(たるんでいる2ポイント用リーフシートを引き込んでおきます) 2ポイントも同じ事の繰り返しです。
しかし風がキツクなると、リーフの前に、ジブファーラーですと、ジブを巻き込む事から始めましょう。

風速と風圧 荒天時において、船体の不安定になる一番の要素は、強風と高い波が原因です。例えば風速10mの場合、風圧は1uあたり(平坦な面に対し)約10sの圧力が加わります。
風速と風圧の関係は、風圧は風速の2乗に比例します。例えば、風速20mになると約40sと単位面積に加わる風圧は増大します。従って、風圧面積(セイル)の大きなヨットは十分な注意が必要です。
例30フィートのヨットで、
約36〜38u(ジブ+メィン)ジェノアーはジブ面積の50%+ (150%)とすると、ジエノアー+メィンの場合は約8uぐらいプラスになり合計で約45uです。 10mの風を受けて帆走すると、セィルに当る風圧が450Kg+ヨットのハル全体に加わる面積風圧も計算に入れなければなりません。この風の力(風速、風圧)がヨットの推進力になるのです。
風速が20mになると風圧が1.800kgに上がります。これ等の事をよく考えて、リーフを早い目に行う事が肝心です。
セイルの組み合わせは、 ヨットの基本セイル調整。に記載していますので、参考にしてください。
エンジンでの機走時は、
艇のボトムの後ろよりプロペラの回転で、海水を後ろに蹴って進みます。したがって、船首が波に対して上に上がろうとします。
スピードが加われば、尚いっそう船首が持ち上がり、スターンが沈み込みます。
帆走時は、マスト長さのセイル中心より、幾分か下の方に推進力が働きますので、機走時と比べると船首が反対に波に突っ込みながら走ります。風がキツクなり、リーフをする事において、風圧中心が下のほうに移動しますので、艇の安定に繋がります。(船首に重い物を搭載すると帆走が悪くなるのはお分かりでしょう)ヨット、大きく言うと帆船の推進力は水中でなく、マスト長さの中心下のセイル面積の中心に位置しますので、その辺りを引っ張られて進む事になります。スピーンの帆走は、風がキツクなると船首が突っ込みますので、乗員はスターに乗るようにしましょう、尚風がキツクなるとブローチングに繋がります。
揚 力
セィルの作るカーブにより、揚力を発生さして、ヨットは進むのです。セイルにあたる風はカーブの内側(風上)と外側(風下)とに分かたれます。その通る空気の流れは内側を通る方がスピードが速くて外側に比べて圧力が高かくなり、セイルは外側へひっぱられるのです。これを揚力といいます。飛行機も鳥も同じ原理で風に乗って飛ぶことができるのです。
したがって、ヨットは帆で走っている時は、マスト長さの中心線より少し下(全セィル面積)の中心に、ロープを付けて、風の力で引っ張られてゆく様に帆走します。
鳥でも風のキツイ時は羽の間より風を抜いて飛んでいます。
波浪
波は、船の復原力に大きく影響します。有効な復原力は水腺下の船体面積とバラスと重量が大きいほど安定していますが、船体が波頭の頂点に押し上げられた状態の時、船首や船尾付近の水線下面積が減少して、不安定な状態となり復原力は減少します。波浪は強風の継続時間に比例し短時間で増大してきますが(風よりも波浪はワンテンポ遅れて来ます)
例えば大阪湾を例に取りますと。西風がきつい時でも淡路よりの方が波が少なく、泉州地方の方が波が荒くなります。東の風の場合はこの反対になるでしょう。波は風に吹き寄せられた水のしわの様なものです。風力中心より少し風下側の方が波が高くなります。

強風の帆走
無理な横波走航
は極力避け、針路変更により安全な針路を保つように心がけましょう。やむをえず横波走航する場合は、その波の大きさにも拠りますが特に気をつけましょう。舵は自動操舵は無理ですので、手で持って小刻みに波を見ながら針路は早め早めに修正し、針路を保つようにしましょう。波浪の状況を観察し、適度な速力に減速する。
波頭を船首20度〜30度の角度に受け航行すれば、船体は比較的安定します。風浪に対し直角に航行した場合、時には激しいピッチングに見舞われ、バウが波頭に突っ込み、打ち込んだ波浪の衝撃により、マストやリギンのトラブルが発生する事もあります。
波高さは、常に一定しておりません、周期により、時には平均波高さをはるかに上回る大波が押し寄せます。波の状態を良く観察し、波浪等の衝撃を和らげるため減速して帆走しましょう。強風の機走はヒール角度が大きくなるとエンジンにオイルが回りにくくなって、焼きつきを起こす場合があり、要注意です。
白波が目立ち始めると、
ウサギが飛ぶと言います。真の風で約8m以上、白波が増えてくると、白馬が走ると言って、約12〜3mぐらいでしょう。
特に夜間の場合、波高の観測は困難になります。一つの目安として、白波を観測します。白波は夜間でもある程度観測が可能です。波頭に砕ける白波が見え始めると、ポイントリーフをして一歩先に作業を済ましておきましょう。日中の帆走より、一ポイント、早めの対策です。
追波は、
激しいピッチングは少なくなりますが、ローリングが多くなって来ます、ある程度の船速も維持出来る事から、多くのヨットは軽快な走りをしますが(サーフィング状態)追波航行が安全だと、感覚におちいります。これも適当な波浪の時です。大きな追波は、波頂で船体が不安定な状態となり、ワイルドジャイブを起こしかねません。波の下り面において特に大波が続いてのサーフィング状態となり舵効を失います。又、斜め追波は、ブローチングが発生し、一瞬のうちに転覆する恐れも有り、非常に危険を伴います。
特に大波の追波航行は斜め追波を受け、波の上り斜面で波速に合わせ、常に上り斜面を航行するように心掛けましょう。艇と波が同じスピードの時は、停船しているのと同じ状態になるので舵が軽くなり、舵が利きません。波のスピードが船速より早い場合は、追いつかれた斜面で波より早く走らずに、波をやり過ごすのが一番です。大きな波の時はスターンが持ち上がり、一瞬舵が水面より抜けて軽くなり、舵が効かなくなる事も有ります。
ブローチング現象とは、
荒天の海域を斜め追波を受け航行中、波の下り斜面で、舵効より大きな波の力で、船体が急激に波と平行になるように、傾斜しながら滑るように船首が回頭する現象です。発生後は舵による船体の立て直しは不可能にちかく、立て直すにはセイルの風圧を瞬時に抜く事です。時には船体傾斜と海水等の打ち込みで一瞬のうちに転覆する危険性があります。 大波の
斜め追波で航走しない。船尾が左右に振られる場合は、船尾からロープ等の抵抗物を流し船体の安定を図ります(沿海では障害物もあり無理な場合があります) 船尾から打ち込む巻波による浸水と衝撃に十分注意します。
舵は大きく切ると危険です。舵は小まめに小さく切り、波に合わして速力の調整を行いましょう。状況が許せば、目的地の変更や遠回りしてでも安全なコースを選びましょう。
ヒーブーツ
は海上で艇を止める方法ですが、ヨットを風に立てて、ジブとメインを互い違いに張って艇を停止さす方法ですが、先ず内海の帆走ではしないでしょう、内海では潮の流れによって流されます。ただ釣り船のスカンパーと同じで、前からの風を左右に流す方法です。風にヨットを立てて釣り船の様に魚釣りに使う事も出来ます。この様に書くと、反論も有ると思いますが、外洋で大嵐になって、ストームジブとトライスルを張って風に立てる事は有効です。これ等は横波を防ぎ艇の転覆を防止する為のものです。
シーアンカー
は、パラシュート形が市販されています。これも、外洋で同じくベヤポールにしても波によって艇が横を向いてしまいます、これ等を波に対して直角に艇を持ってゆくために、船首や船尾より流す物です。原理は大空に舞う奴だこの足と同じと思うと分かりやすいです。そのヨットの性質や波の大きさや、風速風圧によって一概に言えません。大きな抵抗の物が良いのか、少しの抵抗で良いのか、とにかく波に船が立てば良いのです。内海では先ず必要が有りません。シーアンカー代わりにタイヤやフェンダーにアンカーをくくりつけて長いロープで船を風に立てたと言う人がいます。船が波と平行にならないための防止策です。ロープは片側のクリートで止めるのではなく、両弦のクリートより取って、その中心より流します。波が大きいと横波によってノックダウーンをして、転覆に繋がります。
ヒーブーツやシーアンカーの使用は、大嵐の場合、船が、波にもてあそばれて、保進を保つ事が出来ない場合、波に対して船を直角に船を立てる方法です。

エンジンが冷え
過ぎている場合。温暖な地方では余り心配することは有りませんが、気温が−2〜4℃以下になる地方では、エンジンが冷え過ぎていて始動しない場合があります。(緊急用にCRCを吸気菅より吹き付けると、かかる場合があります)専用の商品も有ります。一次冷却用も同じ事です。
圧縮圧力の低下
による始動不能。ディゼルエンジンは以前に書いているように、高圧縮無くしては爆発が起こりません。シリンダの磨耗、ピストンリングの磨耗・折損や固着、吸排気弁の損傷や調整不良により発生します。エンジンオイルの管理が悪いか、相当長期間エンジンの開放点検・整備を行っていない場合などに起こります。この場合にはピストンよりのガスの吹き抜けなどを伴いますので判断できます。エンジンにはエアーブリーザ・パイプがあり、エンジン内部のガスを外部に排出するようになっていますので、時々ガス噴出の有無に注意して下さい。
エンジンオイル
の管理不良、部品の材質不良、長期間点検・整備を行っていない等いろいろの原因が有ります。一次冷却用も同じ事です。
エンジンの回転
が上がらない場合船底やプロペラに貝や海草が付着している。プロペラが損傷している。この場合は異常な振動が伴います。
一定の回転数より上がらない場合は、排気菅のつまりの原因も有ります(ミキシングエルポ)
エンジン冷却水の温度はエンジンの出口で夏と冬には違いますが、人肌より暖かいのが通常です。 しかし、何らかの事情で冷却水の温度がこの範囲を越えて上昇することがあります。その場合には直ちにエンジンの回転を下げるとともに、その原因を調べる必要があります。
冷却系統のトラブル
水洩れ等による冷却水量の不足。二次冷却装置のエンジンでは、冷却水が出ているからと言って安心は出来ません。点検や給水のために清水フィラキャップを開放する場合、蒸気が発生して危険ですので注意をして下さい。二次冷却水リザーブタンクに付いている清水フィラキャップが完全に閉まっていない。二次冷却用
ポンプを駆動するベルトの損傷、または張り不足によるベルトの滑り。ベルトを新しく取替えるか、ベルトの張りを調整して下さい。ベルトが滑ることにより、ポンプの性能が下がり、冷却水量の循環容量が少なくなります。二次冷却使用エンジンは自動車用の冷却装置と良く似ています、熱交換器は自動車のエンジンはラジエーターで空冷で冷やしていますが、船舶用の熱交換器は一次冷却の海水を使って冷やしています。原理は同じですので二次冷却用真水は自動車エンジン用の(クーランとを使用します)
冷却水系統内部
が汚れていて、冷却効果を阻害している。
水垢や貝の付着、砂、汚泥の吸い込みなどによります。海水側は時々掃除することが必要です。
船底海水吸入弁(キングストンコック)の開度不良、またはゴミが海水吸入口を塞いでいる。
海水こし器がゴミで目づまりを起こしている。
冷却水ポンプは原理的に空気を吸って吐き出すことは出来ません、ポンプ内のインペラーハウジング内部に水が入って、初めてポンプとして水をくみ上げることが出来ます。
★運転中、いつまでも冷却水温度が上がらない場合も冷却系統の点検が必要です(サーモスタット)
エンジン内部を通過せず、バイパス通過の場合。
長時間の負荷運転。回転の上げ過ぎ。
時たまエンジンの回転をあげて、内部のカーボンを吹かす事はお勧めです。
★エンジンは全出力の70〜85%くらいの「連続常用回転数」で運転して下さい。エンジンの耐久性、燃料の経済性からも好ましい運転方法です(回転が低すぎるとカーボンの溜まる原因になります)

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