今回のクルージングは15〜16年前に別れたままの佐藤正志さんを尋ねて。
彼は1983年頃、自作木造艇23フィートのガフリグを作成し、そのヨットで3年半で世界一周を廻り帰って来て、一年余り泉大津に居ました、その後別れたままになっていたのですが、愛媛県丸亀に居ると聞き、懐かしく思い逢いに行く事にしました。
メンバーは私と奥土君、安岡さん、あかいさんの四名、安岡さんと、あかいさんは佐藤さんとは、始めての顔合わせです。
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平成15年9月26日午前2時30分泉大津港を出航する。
大阪湾は北より風10ノット前後、フルセィルで機帆走、エンジン回転2200,艇速6,6〜6,8ノット、リーチングで対地速度も同じ、
先月修理したレーダーの試運転を兼ねて回す、綺麗に写っている、レーダーの使用は一年に一、二度程度、明石海峡を潮止まりで通過、しばらくすると夜が明けてきた。
播磨灘に入ると風も落ちてエンジン回転を2700に上げる。
夜間航行はレーダーで他の船が良く分かる
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播磨灘は静かでした |
軍艦現れる |
西北の潮流に押されて対地速度7,2ノット前後で進む、
天候は曇っていたが10時を過ぎた頃には日が照り付けてきた、播磨灘は穏やかで家島群島の南側を通過し、小豆島の地蔵埼を11時過ぎに右舷に見て機帆走で進んで行く、前方に自衛隊の艦船が迫って来た、
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伯島を後ろに見る |
瀬戸大橋潮に押されて3,7ノット |
波も無く予定より少し早く快適に進んで行く、
12時過ぎにスパゲッティーの昼飯を食べた頃より逆潮に押されて思うように艇速が伸びない、
何時までも左舷に見える四国屋島の平たい山が付いて来る、
男木島を左舷に見て対地速度5ノット艇速6,3ノットで進む、伯島を右舷に見る、
前方にオッパイを突き出した様な大槌島が
顔を出す、その頃には更に押されて対地速度4ノット、瀬戸大橋近くでは3,7ノットまで落とされる、小豆島まで溜め込んでいた貯金を叩きだして、その上利子まで持っていかれる、
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瀬戸大橋中間点与島 |
多度津の桟橋に係留する |
瀬戸大橋下を通過、前方右舷に牛島が目に入る、左舷に丸亀港が見えて来た、本船航路に添ってしばらく直進して多度津港前で進路を転進する、港の手前でセィルダウン、
ログメーターで泉大津より92,5マイルでした。
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艇内に招いてヨット談義 |
懐かしい笑顔の佐藤さん |
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多度津港に無事入港、奥の左側にある小さな内港に有る桟橋で、佐藤さんが手を振っている、係留した時は午後5時でした。
桟橋は立派な物で屋根付きの物です。
事前に佐藤さんが手配をしてくれていました、係留費はなんと一日到着時間17時より翌日の17時まで47円、今まで係留した公共設備で一番安い。
多度津港港務所電話番号、0877-32-3059です。
早速佐藤さんを我が艇に招いて雑談、懐かしさがこみ上げる、徳弘さんよりあずかったお土産のイカリを渡しました。 |
太平洋廻航中の佐藤さん |
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佐藤さんは今年のお盆過ぎにハワイからサンフランシスコまで39フィートのヨットの廻航を頼まれて19日間で廻航してきたと言っていました。
来年頃にはそのヨットをエーゲ海に廻航するとの事です。
今夜は佐藤さんの招待で讃岐うどんを食べに行く事になり、車に乗せてもらい約15分、腰のある麺でうまかったので追加をして二杯も食べて満腹満腹、再度佐藤さんの車に乗り込んで善通寺の近くにある丸亀ぽかぽか温泉に招待される、美しい温泉で露天風呂もあり、汗を流して船まで送ってもらい、十二時近くまで話し込んでいました。
明日一日ゆっくりと思って居ましたが、潮の都合で明日午前11時に出航と佐藤さんに言うとそれでは明日朝から迎えに来るとの事。
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百鬼丸改め現在はクモノス |
思い出に浸る佐藤さん |
27日目が覚めてコーヒーを飲んでいると、8時前に佐藤さんが顔を出す、早速朝から讃岐うどんを食べに行く、満腹になって丸亀港へ、旧名百鬼丸、現在は「クモノス」と対面した、池川さんが送ってくれた写真の通りハードドヂャーを追加していた、
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ハードドジャーの付いたクモノス |
釣りに凝っていて疑似餌も沢山 |
マストは私の思い違いでニス塗りをペンキ仕上げにしていて矢張りスルーマストのガフリグのままです、中に入ってみても昔のまま、建造より20年も経ち、まして世界一周をしたのにビルジーも雨漏りも無く、水滴は一滴も入っていない。
世界一周の際にエンジン代わりに積んでいった、櫓を今でも積んでいました。
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クモノスの船内で佐藤さん、奥土君、私、 |
クモノスのデッキで |
木造プロダクション艇のデッキでも10年はめど、15年も経てば雨漏りはする、
この長持ちは矢張り堅牢な作りに有るのだろう、セィルも以前のままだそうです、
クモノスにお別れをして少し早い昼の食事に行く、又又讃岐うどんである、お昼前なのに満員で大勢の人が時間待ち、満腹になり店を出る、道よりに丸亀名物一鶴の鳥料理、佐藤さんのお勧めで此れもご馳走になる、満腹なのでお持ち帰りに積めて貰ってヨットに帰ってきました。
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12時前出航準備 |
拉致した佐藤さんと瀬戸大橋 |
佐藤さんを北朝鮮ではないが、其のまま拉致、午前12時前に小豆島にと出航する、今日は潮を味方に9ノットの機帆走で気持ちよく走る、昨日のスピードとまるっきり違う、瀬戸内の潮は恐ろしい、小豆島の地蔵崎通過後少し風が有ったので帆走する艇速4ノット強、
帆走で内海へ、右舷側をフェリーが通過する、草壁の桟橋に到着、午後4時でした。
多度津港より小豆島内海草壁桟橋までログメーター39,2マイルでした。
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人間オーパイのあかいさん |
草壁の桟橋でお別れ会 |
皆で鳥料理で乾杯をして、またまた話しに花が咲く、時間の経つのは早いもので、名残はつきないが内海フェリー8時最終便の高松行きで又逢える日を楽しみに佐藤さんが帰って行った。
佐藤さんを送ったその足で風呂に行こうと通りに出た、今でも銭湯が有るのかガソリンスタンドに聞きに行くと、閉鎖して随分になるとの事でした、昨年拠った時はさんばし食堂の風呂に入れてもらいましたが、遅いので閉まっている、ガソリンを入れに来た軽トラのおやっさんが此処から2マイル西にサンオリーブの温泉があると教えてもらう、今まで道を聞いてマイルで言われたのは始めてやなーと皆で笑い隣のタクシーで行く、サンオリーブまで1120円でした、三階の露天風呂でゆっくりと湯に入りました、帰りは腹減らしに歩こうと、ぼちぼちと歩き出す、桟橋まで1時間矢張り2マイルでした。
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桟橋で記念撮影 |
ラットを持つ安岡さん |
28日朝飯を炊いて食事をして9時に出航する、少し帆走したが風がない、我々の磯よりをヤマハの22DXが帆走している、大角鼻通過後エンジン始動機帆走に切り替える、今日は日曜日なので本船の数も少なくのんびりと走る、艇速6,3ノット対地速度は6ノット、家島群島を左舷に見る頃にはうっすらと明石大橋が見えて来た、昼飯を食べ終わる頃には明石の潮に引っ張られて対地速度は7ノット、静かな播磨灘、明石大橋手前で北東の風が入って来た。
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又別名ちじみのあかいさん |
スプレーを浴びて軽快な帆走 |
エンジンを停止して海峡を連れ潮に乗って対地速度は11,5ノット、そのままの勢いで大阪湾に入っても風が落ちない、風が次第に上がってきて、なんと23〜25ノットの北北東の風、リーチング〜アビームで艇速8〜9,5ノット、スプレーが時々飛んでくる、これ以上吹けばワンポンリーフ、対地速度で9,5ノットオーバー、大阪湾中ほどでは潮の影響も無くなって対地速度も落ちて来た、石津の航路のトラブイを左舷に見る頃には少し風が落ちて来た、其のまま泉大津の赤灯台を右に見て港内でセィルダウン、エンジン始動、、我が桟橋に帰って来ました。
到着時間午後の5時でした。
草壁より泉大津までログメーターで65,3マイルでした。
今回の航海で
佐藤さんには、いろいろご馳走に成りました。
あかいさんは、この航海で人間オートヘルムの異名を取りました、又の名をちじみのアカイ。
佐藤さん有難う御座いました、奥土君、安岡さん、あかいさん、お疲れ様でした。
楽しい思い出が沢山出来ました。
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